昨今、訪問看護ステーションにおいても介護報酬の請求において電子請求、電子媒体によるレセプトの提出が義務付けられるようになり、多くの事業所においても手書きのレセプトからレセコンの導入に舵を切ってきたことと思います。
そして、レセコン導入に併せて電子カルテが一体となった製品を使用することで電子カルテの普及も比例して進んできていることでしょう。
さて、離れた場所にいる看護師が入力した記録の内容をタイムリーに確認できたり、数百人を超える利用者の情報を携帯端末ひとつでどこでもすぐに確認できる等、電子カルテには情報共有において優れた面がいくつもあります。
しかし
そんな電子カルテにも苦手な事があると思います。
それは【紙】の情報共有です。
医療・介護の現場では未だに電子メールではなくFAXや郵送による紙の情報が常日頃から飛び交っています。※1
それ故に、ケアマネージャーや医療機関からの資料や連絡、予定表等は紙の状態で事業所に届けられます。
一般的な電子カルテはこの紙の情報共有をする手段を備えていない事が多いのではないでしょうか?
何故なら、クラウド型の電子カルテにおいて紙情報を各携帯端末で確認できるようにするにはクラウドストレージに画像を保管する必要があります。画像ファイルは記録等のテキストファイルと比較して非常に容量が大きいため、年間数千枚と紙ファイルをやりとりする事業所のために相当な容量のストレージを用意する必要が出てきてしまいます。そこに発生するコストは誰が負担するのか?だったら最初からそんな機能はつけなくても良いという事でしょうね。
※1:何故かFAXがセキュリティ面で電子メール等より優れていると思われているのか不明ですが、FAXでやりとりされる情報のセキュリティは暗号化もされていませんし、複合機等はスタックオーバーフローという攻撃を受ける可能性があるとも言われています。